コモンズネット設立趣意書
近年、日本において市民・住民の共用の財産であるコモンズの破壊が進んでいます。
コモンズとは、それぞれの地域固有の歴史と風土の上に成り立つ、樹木や水、土壌などの自然、そこに生きる人間や動植物が形成してきた景観や環境、公共インフラであり、現在の人々が広くその恩恵を享受し、また次世代へと引き継がれるべきものです。
コモンズの破壊は、東京における明治神宮外苑や日比谷公園などの開発計画、東京都立葛西臨海水族園整備事業、京都市における府立植物園などの開発計画、大阪市における道路や公園の樹木の伐採、神戸市における王子公園の売却・縮小計画などに見られ、心ある市民・住民が立ち上がってコモンズの破壊に抗しています。
こうしたコモンズの破壊に共通しているのは、主体が公共団体であれ私企業であれ、宗教団体であれ、住民への情報提供が不十分なまま、時に秘密裏のうちに計画され、また住民の声を聞き入れないまま、時にゴリ押し・強行されるなど、民主主義に反した形で行われている点です。さらに、たびたびみられるのは、コモンズの不動産を格安、あるいは無償に近い形で事業者へ提供した結果、国民の資産に損害を与えるケースです。
このような状況を鑑みて、私たちは2023年12月3日、「コモンズの緑を守る全国ネット」、略して「コモンズネット」を設立しました。それぞれの地域で別々に運動しているグループがネットワークをつくり、現状の把握、経験、科学的・専門的知識を共有し、お互いの知識や能力を向上させ、この運動をさらに強固にすることを目的としています。
コモンズネットの3つの目標:
- 自然破壊・環境破壊や歴史・文化的遺産の破壊を止める。
- 目先の経済効率・企業の利益優先、単にコストカットを目標とした民間委託の多用、行政の怠慢など、安易なコモンズ破壊につながる風潮を変え、持続可能でより暮らしやすい社会環境の形成をめざす。
- コモンズをやむを得ず改変・開発する場合には、まず環境影響評価を義務付け、市民参画、情報公開、民主主義に則った進め方を求める。
コモンズネットの運営は超党派、建設的、提案型で行い、会員は常にお互いをリスペクトする態度でかかわり、上記の3つの目標を達成することをめざします。
入会の条件
- 代表者の方のコモンズネットへの参加要請がある。
- コモンズネットの設立趣意書への賛同。
- 代表者の方にコモンズネットの例会参加者やグループメール登録者の指名をしていただく。
- 構成員が3名以上いること。
- 会の目的が緑を守る事であること。
構成メンバー
ホームページ1面をご参照。
2024年11月21日
コモンズの緑を守る全国ネット(コモンズネット)
共同代表: ロッシェル・カップ
原 和加子
八谷 哲朗
homepage: https://commonsnet.jp
E-mail address: commonsnet2023@gmail.com
Facebook: コモンズの緑を守る全国ネット(コモンズネット)